韓国人の苗字(姓)ランキング TOP50

韓国人の苗字は何種類と言われているかご存知だろうか。

結論から言うと、昔からある伝統的なもの漢字表記できるもの)は「約286種類」、外国からの帰化などを含めた現代の戸籍上では5,500種類以上」と言われている。

日本の名字が10万〜30万種類あると言われているのと比べると、韓国人の苗字は圧倒的に少ないのである

なぜ同じ苗字が多いのか?

古くは王族や貴族だけが名字を持っていたが、李氏朝鮮時代の末期から近代にかけて身分制度が廃止される過程で、多くの一般庶民が伝統ある名門の苗字(特に「金・李・朴」)を名乗るようになったことが、現在のように特定の苗字が集中している大きな理由の一つである。

【決定版】韓国人の苗字(姓)ランキング TOP50

人口および比率は、韓国統計庁の最新の国勢調査(2015年調査 ※15年周期)(分母となる韓国の総人口:49,705,663人として算出)のデータを基に作成。

順位漢字ハングル主な英語表記カタカナ人口数全体に占める比率
1位Kimキム10,689,959人21.51%
2位Lee7,306,828人14.70%
3位Parkパク4,192,074人8.43%
4位Choiチェ2,333,927人4.70%
5位Jeong / Jungジョン2,151,879人4.33%
6位Kangカン1,176,847人2.37%
7位Choチョ1,055,567人2.12%
8位Yoonユン1,020,547人2.05%
9位Jangジャン992,721人2.00%
10位Imイム823,921人1.66%
11位Hanハン773,404人1.56%
12位Oh763,281人1.54%
13位Seo751,704人1.51%
14位Shinシン741,081人1.49%
15位Kwonクォン705,941人1.42%
16位Hwangファン697,171人1.40%
17位Ahnアン685,639人1.38%
18位Songソン683,494人1.37%
19位유 / 류Yoo / Ryuユ / リュ642,693人1.29%
20位Jeonジョン559,110人1.12%
21位Hongホン558,853人1.12%
22位Ko / Go471,396人0.95%
23位Moonムン464,040人0.93%
24位Yangヤン460,600人0.93%
25位Sonソン457,303人0.92%
26位Bae400,641人0.81%
27位Choチョ398,260人0.80%
28位Baekペク381,986人0.77%
29位Heo326,770人0.66%
30位Yu / Yoo302,511人0.61%
31位Namナム275,648人0.55%
32位Simシム271,749人0.55%
33位No / Noh256,229人0.52%
34位Jeong / Jungジョン243,803人0.49%
35位Ha230,481人0.46%
36位Gwakクァク203,188人0.41%
37位Seongソン199,124人0.40%
38位Chaチャ194,782人0.39%
39位Juチュ194,766人0.39%
40位Woo194,713人0.39%
41位Gu193,080人0.39%
42位Shinシン192,877人0.39%
43位Imイム191,261人0.38%
44位Jeonジョン186,469人0.37%
45位Minミン171,740人0.35%
46位Yu / Yoo167,927人0.34%
47位Na160,946人0.32%
48位Jinジン157,599人0.32%
49位Ji153,491人0.31%
50位Eomオム144,646人0.29%

※ランキングの基準:「漢字(苗字)ベース」

  • 19位の「柳」は「(ユ)」と「류(リュ)」を合算して1つにまとめた。
  • 34位の「丁」も5位の「鄭」も、ハングルで書くとどちらも完全に同じ「정(ジョン)」、「曺」も「趙」と同じ「조(チョ)」、同様に「劉」や「兪」も「柳」と同じ「유(ユ)」になるが、漢字が異なるため別々に集計。

伝統的な韓国の苗字:約286種類

長年、韓国で「伝統的な固有の苗字(漢字表記できるもの)」として認識されてきたのは、わずか286種類しかない。

  • 学校のクラス、会社のオフィス、芸能界でよく見かける「金(キム)」「李(イ)」「朴(パク)」「崔(チェ)」「鄭(ジョン)」などの有名な苗字も、すべてこの286種類の中に収まっている。
  • これだけ種類が少ないため、「上位5つの苗字だけで人口の半分以上」という極端な集中が起きている。

💡コラム

韓国には「ソウルの南山から石を投げれば、金さん、李さん、朴さんの誰かに当たる」という有名なことわざがあるほど、この3つの苗字が圧倒的に多いのである。

現代の戸籍上の名字:5,582種類(急増中)

韓国統計庁が実施している「人口住宅総調査」のデータによると、戸籍上の名字の種類は5,582種類まで爆発的に増えている。

なぜ急に約5,000種類も増えたのかというと、海外から韓国に国籍を移した「帰化人」が新しい苗字を登録したからである。

  • 漢字表記のない名字(4,075種類): 欧米系や東南アジア系から帰化し、ハングル表記だけで登録された名字(例:「존슨(ジョンソン)」さんなど)。
  • 新しい漢字の名字: 中国系帰化人などが持ち込んだ、従来の286種類にはなかった新しい漢字の名字。

名字が被るからこそ、韓国人が大切にする「本貫(ボングァン)」

286種類しか苗字がないと、街中が同じ苗字だらけになってしまう。そこで韓国では、苗字のほかに「本貫(ボングァン)」という「一族の発祥の地」をセットにして個人を区別している。

【例】同じ「金(キム)」さんでも…

  • 始祖の出身地が「金海(キメ)」なら ⇒ 金海金氏(約446万人)
  • 始祖の出身地が「慶州(キョンジュ)」なら ⇒ 慶州金氏(約180万人)

韓国の戸籍にはこの「本貫」が約7,500種類以上登録されており、現地では「同じ金さんだけど、ルーツが違うから親戚ではない」という風に判別している。

紛らわしい「ソン」のバリエーション

韓国語では、日本語で「ソン」と読む名字がいくつかあり、それぞれ別の苗字として集計される。

  1. 宋 (Song / 18位): ソン・ヘギョ(女優)、ソン・ジュンギ(俳優)など。
  2. 孫 (Son / 25位): ソン・フンミン(サッカー選手)、ソン・イェジン(女優)など。
  3. 成 (Seong / 37位): ソン・シギョン(歌手)など。
  4. 宣 (Seon / 100位以下): 元中日ドラゴンズのソン・ドンヨルなど。

> カタカナでは区別がつきにくいが、
ハングルでは 성 (Seong)송 (Song)손 (Son)、(Seon)と明確に書き分けられている。

💡トリビア:孫正義さんの苗字とルーツについて

孫正義さんは在日韓国人3世として日本(佐賀県)で生まれ、後に日本に帰化したが、自身のルーツである「孫」という名字には並々ならぬこだわりを持っている。

  • 本貫(ルーツの場所): 孫正義さんの家系は「一直孫氏(イルジクソンし)」という一族である。これは慶尚北道の安東(アンドン)付近を本拠地とする一族で、その始祖は中国(宋朝)から高麗に帰化した人物だと言い伝えられている。
  • 日本での通称名: かつて日本では「安本(やすもと)」という通称名を使っていたが、アメリカ留学を経て「自分のルーツを隠す必要はない」と考え、ビジネスの世界でも本名の「孫」を名乗るようになった。
  • 帰化の際のエピソード: 1990年に日本国籍を取得する際、当時の法務省から「日本に『孫』という名字は存在しないため、日本風の名字にする必要がある」と言われた。しかし、彼はこれを拒否し、まず裁判所で日本人である妻の姓を「孫」へ変更することを認めさせ、それによって「日本に『孫』という名字を持つ日本人が存在する」という実績を作った上で、自分も「孫」として帰化したという有名なエピソードがある。

韓国人の苗字は中国人の苗字とも被ってる?

こうして見てみると、韓国人の苗字は我々がよく知っている中国人の苗字と案外被っているのではないか、と気づいた人も多いのではないだろうか。それもそのハズ、起源を知るとその理由が見えてくる。

なぜこれほど中国人の苗字と被っているのか?(歴史的理由)

一言で言うと、古代の朝鮮半島が中国の苗字(漢姓)をそのまま導入したからである。

  • 歴史の流れ: 7世紀(唐の時代)ごろから、朝鮮半島の貴族たちが中国風の「一文字の名字」を名乗り始めた。その後、高麗時代や朝鮮時代(10〜14世紀以降)にかけて、一般庶民にも名字が広がる際、みんなが「箔(ハク)がつく高貴な中国風の苗字」をこぞって付けたため、中国の苗字と被ることになった。
  • 日本との違い: 日本は明治時代に新しく名字(地名や地形由来の2〜3文字)を自由に作ったが、韓国は中国の歴史ある名字をそのまま引き継いだため、今でも一文字の苗字が基本となっている。

【比較表】中国人と韓国人の苗字 TOP25

「確かに一部被っていそうなのはわかるけど、あくまで一部でしょ?」と思ったそこのアナタ。

実際に両国のトップ25を漢字で並べてみると、その被り具合がおどろくほどよく分かる。

順位中国の苗字(姓)韓国の苗字(姓)被り度・関係性
1位 (ワン) (キム)韓国1位の「金」は中国では69位。
2位 (リー) (イ)完全に一致。 どちらの国でも超メジャー。
3位 (ジャン) (パク)韓国3位の「朴」だけは、中国にない朝鮮固有の名字
4位 (リウ) (チェ)韓国4位の「崔」は、中国でも名門で74位の名字。
5位 (チェン) (ジョン)韓国5位の「鄭」は、中国でも23位。
6位楊 (ヤン)姜 (カン)中国 60位
7位趙 (ジャオ)趙 (チョ)中国 7位
8位黄 (ホアン)尹 (ユン)中国 91位
9位周 (ジョウ)張 (ジャン)中国 3位
10位呉 (ウー)林 (イム)中国 16位
11位徐 (シュー)韓 (ハン)中国 25位
12位孫 (スン)呉 (オ)中国 10位
13位胡 (フー)徐 (ソ)中国 11位
14位朱 (ジュー)申 (シン)中国 123位
15位高 (ガオ)権 (クォン)中国 300位前後
16位林 (リン)黄 (ファン)中国 8位
17位何 (ホー)安 (アン)中国 109位
18位郭 (グオ)宋 (ソン)中国 22位
19位馬 (マー)柳 (ユ)中国 130位
20位羅 (ルオ)全 (ジョン)中国 221位
21位梁 (リャン)洪 (ホン)中国 107位
22位宋 (ソン)高 (ゴ)中国 15位
23位鄭 (ジョン)文 (ムン)中国 100位
24位謝 (シエ)梁 (ヤン)中国 21位
25位韓 (ハン)孫 (ソン)中国 12位

※中国国家統計局が実施した『2010年 第6回 中国全国人口普査(国勢調査)』より

見える化して分かる3つの事実

  • 「朴」さん以外はすべて中国にある:韓国のトップ25の中で、中国のルーツに同じ漢字が存在しない(朝鮮半島発祥の)苗字は、3位の「朴(パク)」さんただ一つだけである。
  • 順位は違えど顔ぶれは同じ:韓国のベスト25に入っている「李・鄭・趙・張・林・韓・呉・徐・黄・高・宋・梁・孫」といった苗字が、中国のベスト25にも相容れるように名を連ねている。
  • 「李(Lee)」の圧倒的な存在感:中国でも2位(約1億人)、韓国でも2位(約750万人)の「李」は、東アジアで最も知名度が高い姓の一つで、かつ最大規模の人口を持つ苗字と言える。

まとめ:漢字とハングルと歴史が織りなす「中韓名字の真実」

隣国であり、同じ漢字文化圏である韓国と中国。しかし、それぞれの国勢調査や政府統計(韓国統計庁2015年調査/中国公安部&国家統計局データ)を注意深く紐解くと、文字の裏に隠された壮大な歴史と人口動態が見えてきます。

1. 韓国の苗字編:ハングルと法改正に翻弄された歴史

韓国の苗字を語る上で外せないのが、「漢字(意味)で数えるか」「ハングル(発音)で数えるか」によるデータの見え方の違いである。

──「柳」姓に隠された南北の分断とプライド

韓国の人口約1.29%を占める「柳」姓は、今回の集計で19位(約64万人)に位置する大姓である。

しかし、ネットのランキングでは「유(ユ)」と「류(リュ)」に分裂して掲載されているケースが多々ある。 これは、語頭の R 音を Y 音に変化させる韓国の言語ルール(頭音法則)により、伝統的な「リュ」の響きが一時法律で制限されたためである。

2007年の法改正で「本来のリュと名乗りたい」という人々の意向が認められ、現在は両方のハングルが混在している。

── 大姓の影に隠れて「消える」苗字たち

34位の「丁」(約24万人)は、しばしば「ハングル」ベースのランキングから姿を消す。

理由は、5位の同じく大姓である「鄭」(約215万人)とハングル表記・発音が全く同じ「정(ジョン)」だからである。

発音ベースで集計されると、丁氏は鄭氏に統合されて消滅してしまうのである

同様に、7位の「趙」に吸収される27位の「曺(チョ)」や、19位の「柳」に吸収される30位の「劉(ユ)」など、「漢字ベースで見て初めて独立性が守られる名姓が数多く存在するのである

2. 中国の苗字編:10年で動く14億人の大規模変動

中国のランキング(トップ25)を精査すると、そこには14億人という大所帯国家ならではの「時代の変化」が刻まれている。

── 学術の基準「2010年国勢調査」の勢力図

上述では、最も精緻なデータとされる2010年の中国全国人口普査(国勢調査)を扱ってきた。

── 南方シフトによる「2019年最新データ」への影響

しかし、2019年〜2020年にかけての公安部(戸籍システム)の最新報告では、この並びに変化が見られた。

中国全体の人口の重心が「南方エリア(広東省や四川省など)」へシフトしたことで、激しいデッドヒートの末、南方にルーツを持つ「唐」や「范」といった苗字が急浮上。

結果として、北方に多かった「韓」がトップ25の圏外へ押し出されるという、リアルな人口動態の変化が起きている。

3. 中韓「崔(ツァイ/チェ)」姓の面白い現象

韓国で4位(約233万人(4.70%))に位置するメジャー姓「崔(チェ)」
一方、2010年の中国では「崔(ツァイ)」は74位(約336万人(0.25%))で「百家姓の中堅」という立ち位置であった。

比率で言えば圧倒的に韓国のイメージが強い苗字であるが、2019年のデータでは中国の崔さんは55位(約530万人)という変化が見られ、中国の総人口が多すぎるため、その「人数」だけで見ると韓国の崔さんに対し、中国の崔さんの方が2倍以上多いという、スケール違いが生んだ面白い現象も確認できた。

いかがだっただろうか。
こうしてみると単なる名前の羅列ではなく、両国の歴史と現在進行形の人口変化の実態が多少なりとも見えてきたのではないだろうか。

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