果物の由来について
普段何気なく食べている果物だが、その名前の由来を調べてみると、意外な歴史やエピソードが隠されている。
八朔(ハッサク)
八朔は、江戸時代に広島県因島で発見されたとされる柑橘類。
名前の「八朔」は本来、旧暦8月1日(八月朔日のこと)を意味する言葉であることは意外に知られていないかもしれない。因島の浄土寺で、当時の住職が「八朔には食べられる」と言ったことが名前の由来になったという説が有名。
ただし、実際の八朔の旬は冬から春にかけて。現在では「8月1日に食べ頃になる果物」という意味ではない。
温州みかん(ウンシュウミカン)
柑橘の名産地であった中国の「温州」にちなんで名付けられたが、原産地は日本の鹿児島県(薩摩)である。
伊予柑(イヨカン)
主な生産地である愛媛県の旧国名「伊予国」が由来。
デコポン(不知火)
果頂部が大きく隆起している(凸)形状と、交配親であるポンカンを組み合わせた名称。
清見(キヨミ)
育成地である静岡市清水区にある景勝地「清見潟」から命名された。
柿(カキ)
果実の色が赤く染まる様子を表す「赤木(アカキ)」や「黄木(キキ)」が変化したという説が有力。
びわ(枇杷)
果実や葉の形状が、弦楽器の「琵琶」に似ていることから名付けられた。
すだち
徳島県を代表する柑橘「すだち」は、漢字では「酢橘」と書く。果汁を酢の代わりに利用したことが名前の由来。
つまり「酢として使う橘(柑橘)」という意味である。
焼き魚や鍋、刺身などに添えられるすだちは、現在でも名前の通り調味料として活躍している。
無花果(イチジク)
花を咲かせずに果実が実るように見える様子から漢字が当てられた(実際は実の中に小さな花を咲かせる)。
ザクロ(石榴)
原産地とされるイラン付近の「ザグロス山脈」に由来するという説がある。
キウイフルーツ
ニュージーランドの国鳥であるニュージーランドキウイ(Kiwi)に外見が酷似していることから命名。
パイナップル
英語の「pineapple」は、「pine(松)」と「apple(りんご)」を組み合わせた言葉。
見た目が松ぼっくりに似ていることから「pine」と呼ばれ、果物であることから「apple」が付いたとされる。
アボカド
古代メソアメリカのナワトル語で「きんたま」を意味する āhuacatl(アワカトル)が語源とされている。
ドリアン
マレー語で「トゲ」を意味する duri(ドゥリ)に名詞化の接尾辞がついたもの。
ドラゴンフルーツ
果実の表面にあるウロコ状の突起が、竜(ドラゴン)の鱗のように見えることから名付けられた。
パッションフルーツ
情熱ではなく、花の形がキリストの「受難(Passion)」、特に十字架にかけられた姿を連想させることに由来。
グレープフルーツ
ブドウ(Grape)のように、1つの枝に果実が房状に群がって実る様子から命名された。
ラ・フランス
1847年にフランスの Claude Blanchet 氏によって発見され、「フランスの誇り」と称されたことにちなむ。
佐藤錦(さくらんぼ)
大正時代に山形県の佐藤栄助氏が生み出した品種であり、創業者・育成者の姓をとって名付けられた。
シャインマスカット
光り輝く(Shine)美しい鮮緑色の外観のマスカットであることが由来。
まとめ
こうして並べてみると、果物の名前には見た目の特徴からきているものもあれば、外国語がそのまま伝わったもの、暦や地名にちなんだものまで実にさまざまな由来があることが分かる。
次に果物を食べるときは、その名前の由来にも思いを馳せてみると、いつもの果物がちょっと特別なものに感じられるかもしれない。

