近年、脳の老化予防や認知症リスクの低減に効果があると注目を集めているのが「MIND(マインド)食」である。
地中海食とDASH食(高血圧予防のための食事法)の良いところを組み合わせたこの食事法は、米国シカゴのラッシュ大学医学センターの研究チームによる追跡調査でアルツハイマー病の発症リスクを大幅に下げる可能性(高い認知症予防効果)が示されたことから、世界的な注目を集めた。
今回はMIND食の基本的な考え方と、積極的に摂りたい食品・控えたい食品について詳しく紹介しよう。
MIND食とは何か
MIND食(Mind Diet)は「Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay」の略で、直訳すると「神経変性の遅延のための地中海食-DASH食介入」となる。
名前の通り、心血管疾患予防に効果的とされる地中海食と、血圧を下げる効果で知られるDASH食を組み合わせ、その中でも特に「脳の健康」に関連が深いとされる食品にフォーカスして再構成されている。
難しい理論というよりも、日々の食事の中で「積極的に食べるべき10品目」と「なるべく減らすべき5品目」を意識するだけというシンプルさが、実践のしやすさにつながっている。
MIND食で積極的に摂取すべき10の推奨食材
代表的なのは次の10種類である。
| 食品 | MIND食での位置づけ |
|---|---|
| 🥬 緑黄色野菜 | 特に葉物野菜を重視 |
| 🫐 ベリー類 | ブルーベリーなど |
| 🥜 ナッツ類 | くるみなど |
| 🫘 豆類 | 豆・レンズ豆など |
| 🌾 全粒穀物 | 玄米、全粒パンなど |
| 🐟 魚 | 特に脂の多い魚 |
| 🍗 鶏肉 | 揚げ物以外 |
| 🫒 オリーブオイル | 主な油として推奨 |
| 🍷 ワイン | 少量という位置づけ |
| 🍫 その他 | 一般的なMIND食では上記食品群が中心 |
💡日常生活への取り入れ方
MIND食を実践するコツは、特別な食材を揃えることよりも、普段の献立に「緑黄色野菜」「ベリー類」「ナッツ」「魚」をこまめに登場させることである。
また主食を白米から玄米に変える、間食をスナック菓子からくるみやブルーベリーに置き換える、調理油をオリーブオイルへ一本化するといった段階的な工夫から開始することが、長期的な習慣化につながる。
脳の血管機能と神経伝達を良好に維持するために、継続可能な範囲で食生活へ導入することが推奨される。
なるべく減らしたい5つの食品群
一方で控えめにしたいとされているのが、バターやマーガリンなどの動物性・加工油脂、チーズ、赤身の肉、揚げ物やファストフード、そして菓子類である。
これらは飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含み、血管の炎症や動脈硬化を促進しやすいことから、脳への血流にも悪影響を及ぼすと考えられている。
完全にゼロにする必要はないが、頻度を減らすことを意識するだけでも食生活全体のバランスが大きく変わってくるはずである。
MIND食が注目される理由
アメリカのラッシュ大学医療センターが行った研究では、MIND食を厳格に実践したグループはそうでないグループに比べてアルツハイマー病の発症リスクが半分近くにまで下がったという結果も報告されている。
興味深いのは、たとえ完璧に実践できなくても、ある程度の順守度であっても一定のリスク低下効果が見られたという点である。
つまり「全部を完璧にこなす」よりも「できる範囲で意識して続ける」ことが重要な食事法だといえよう。
まとめ
研究ではMIND食を含む健康的な食事パターンと認知機能低下リスクとの関連が報告されているが、「MIND食を実践すれば認知症にならない」と証明されたわけではない。
つまり、MIND食=認知症を確実に予防できる食事、ではないということ。
とはいえMIND食は、地中海食とDASH食の良いところを掛け合わせ、脳の健康に特化し考案された食事法である。
また、特別な制限を課すのではなく「増やしたい食品」と「減らしたい食品」を意識するだけというシンプルな構成のため、無理なく生活に取り入れやすいのが最大の魅力なのである。
完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ習慣にしていくことが、将来の脳の健康を守る第一歩になるかもしれない。
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