受験生時代などに認識していた学校が改名されていると知り、
「大人になったらいつの間にか改名されてた」
「昔は全然違う名前だった?」
など、それなりに驚いた経験はないだろうか。
今回、その中でも驚き度が高い有名校をランキング化してお届けしよう。
大学編はコチラ
この40年における高校・大学の改名史の正体
まず、その改名史全体から。
1990年代初頭に18歳人口のピーク(約205万人)を迎えて以降、学校側は学生から「選ばれる立場」へと変化した。
これに伴い、日本国内では多くの高校や大学が、
「男女共学化」
「運営法人の統合」
「グローバル化(カタカナ表記などへの変更)」
といった組織再編を機に、校名変更へと踏み切っている。
同時に、
「国際」「医療」「福祉」「人間」
といった、就職に強そうでクリーンなイメージの言葉を競って導入してきた、というのが背景にあるだ。
👑ランキング TOP5発表
では早速、ランキングから見て行こう(※あくまで私見である)。
| 順位 | 改名前 → 改名後 |
|---|---|
| 1位 | 鹿児島商工 → 樟南高等学校 |
| 2位 | 順心女子学園高校 → 広尾学園高等学校 |
| 3位 | 秋田経法大付高校 → 明桜高校 |
| 4位 | 大阪福島商業高校 → 履正社高校 |
| 5位 | 幕張女子高校 / 渋谷女子高校 → 渋谷教育学園幕張高校 / 渋谷教育学園渋谷高校 |
改名でおどろいた高校
「なぜこれほど高校の改名が増えたのか?」
ポイントは大きく2つある。
- 「〇〇商業」「〇〇工業」の不人気
そして、産業構造の変化で、実業系よりも普通科・進学志向が強まると、敬遠されがちだった「商業」「工業」といった漢字を外す学校が相次いだ。
- 第2次ベビーブームの終わりと少子化
1990年代後半から生徒の奪い合いが始まり、男子校・女子校のままだと生徒が集まらないため、「男女共学化」「カタカナや国際的な名前に変更」という大改革が一斉に行われたのである。
実際、高校については、1980年代後半から2000年代にかけて「ヤンキー校からの脱却」「男子校・女子高の共学化」や、「塾予備校系資本(学校法人)の参入による進学校化」で名前が変わった有名校が非常に多い。
以降、その代表例を順に掘り下げよう。
スポーツ強豪校・有名校の旧名
甲子園や全国大会の常連校も、80年代〜90年代に名前が変わっているところがたくさんある。
- 浦和学院高校(埼玉県)
- 旧名:市川学園浦和高校(※創立当初の一時期)
- 解説:1980年代以降、現在の「浦学(うらがく)」として全国に名を轟かせるようになった。
- 駒澤大学附属苫小牧高校(北海道)
- 旧名:苫小牧駒澤高校
- 解説:1980年代後半〜90年代に表記や系列の整理が行われ、のちに田中将大投手を擁して甲子園を連覇する有名校に。
首都圏の超進学校・人気校の激変
特に東京周辺では、かつてのイメージを180度覆すような改名とカリキュラム改革が行われた。
- 渋谷教育学園幕張高校 / 渋谷教育学園渋谷高校(千葉・東京)
- 旧名:幕張女子高校 / 渋谷女子高校
- 解説:1980年代後半〜90年代にかけて共学化し、校名を変更。今や東大合格者数で全国トップクラスを争う超エリート進学校(渋幕・渋渋)になった。
- 広尾学園高校(東京都)
- 旧名:順心女子学園高校(2007年に変更)
- 解説:お嬢様学校から、共学化・サイエンスやインターナショナルに特化した最先端の人気進学校へ。
- 三田国際学園高校(東京都)
- 旧名:戸板女子高校(2015年に変更)
- 解説:こちらも女子校から21世紀型教育を掲げる共学の人気校へシフトした典型例である。
- 青稜高校(東京都)
- 旧名:品川高校(1995年に変更)
- 解説:かつての女子校から共学化し、現在は進学実績を大きく伸ばしている。
つづいて、平成の「男女共学化」「イメージ刷新」の大波に乗って改名した、全国の有名高校(甲子園の常連校、スポーツ強豪校、全国区の知名度を持つ学校)を地域別に多数ピックアップしてみた。
九州・沖縄エリア(樟南など強豪がズラリ)
- 樟南高校(鹿児島県)
- 旧名:鹿児島商工高校(1994年に変更)
- 解説: 1994年の夏の甲子園で準優勝したまさにその年、大会の直前(4月)に現在の「樟南」へ改名した。オールドファンにとっては、鹿実(鹿児島実業)と並ぶ「鹿児島商工」の文字がお馴染みだった。
- 九州国際大学付属高校(福岡県)
- 旧名:八幡大学附属高校(1989年に変更)
- 解説:野球やバドミントンなどの超強豪。「九国(きゅうこく)」の愛称で親しまれているが、運営法人の大学名変更に伴い改名された。
- 福岡第一高校(福岡県)
- 一時期の名称:福岡第一商業高校 / 系属に第一薬科大学付属高校(旧:第一薬科大付)
- 解説:バスケの全国王者として有名な福岡第一。実は1980年代半ばまで一時期「福岡第一商業」だった歴史がある。また、芸能人を多数輩出していることで有名な姉妹校の「第一薬科大付」も、以前は「パラマウントチャレンジスクール」といったユニークな通称や「第一経済大付」という旧名だった。
- 沖縄尚学高校(沖縄県)
- 旧名:沖縄高等学校(1983年に変更)
- 解説:1999年のセンバツで沖縄県勢初の甲子園優勝を果たした名門。1980年代初頭に経営難に陥り、大手予備校「尚学院」の傘下に入ったことで、一気に全国屈指の文武両道校へと生まれ変わった。
関西エリア(甲子園の歴史そのもの)
- 大阪桐蔭高校(大阪府)
- 旧名:大東構造(※前身) / 大阪産業大学高校 大東校舎(1988年に分離独立)
- 解説:今や高校野球界の絶対王者だが、1983年に大阪産業大学高校の大東校舎としてスタートし、1988年に「大阪桐蔭」として独立した。80年代後半に誕生した比較的新しい名前である。
- 履正社高校(大阪府)
- 旧名:大阪福島商業高校(1983年に変更)
- 解説:大阪桐蔭と並ぶ激戦区・大阪の雄。かつては男子校の商業高校だったが、83年に履正社へ改名、その後2000年前後に男女共学化を果たした。
- 東洋大姫路高校(兵庫県)
- 旧名:姫路商業高校(※創立時) / 東洋大学の附属化により改名
- 解説:昭和の甲子園を沸かせた名門。元々は地元の商業学校だった。
- 神戸国際大学附属高校(兵庫県)
- 旧名:八代学院高校(1992年に変更)
- 解説:「国際」と名がつくだけに新しい学校に見えるが、昭和時代は「八代(やしろ)学院」の名で親しまれた伝統ある男子校だった。
- 智弁学園和歌山高校(和歌山県)
- 旧名:藤原学園(※前身の構想段階)
- 解説:奈良の智弁学園の姉妹校として1978年に開校。歴史としては比較的新しく、80年代〜90年代にかけて甲子園で急速に全国区の知名度を築き上げた。
中部・近畿エリア(名門のイメージチェンジ)
- 愛知啓成高校(愛知県)
- 旧名:稲沢女子高校(2001年に変更)
- 解説:女子バレーや野球などスポーツが盛んな同校。2000年代の共学化を機にカタカナ交じりのような現代風の校名へシフトした。
- 敦賀気比高校(福井県)
- 旧名:敦賀短期大学付属高校(1986年に現在の「敦賀気比」に)
- 解説:福井のスポーツ名門校。地元の「気比神宮」に由来する現在のインパクトある校名になったのは1986年のことである。
- 星稜高校(石川県)
- 旧名:実践商業高校(1972年に星稜高校へ、1982年に現在の星稜中学校・高等学校の形に)
- 解説:松井秀喜氏の母校。80年代にはすでに「星稜」として定着しいたが、ルーツは商業高校だった。
関東エリア(ヤンキー校・女子校からの進学校化)
関東はスポーツだけでなく、「名前を変えて偏差値を爆上げした学校」の宝庫である。
- 浦和学院高校(埼玉県)
- 旧名:市川学園浦和高校(1981年の創立直後に浦和学院へ)
- 解説:「浦学(うらがく)」の愛称で、野球をはじめ多くの部活が全国区だ。
- 昌平高校(埼玉県)
- 旧名:東和大学附属昌平高校(2007年に変更)
- 解説:近年、サッカーやラグビー、そして東大合格者を出す進学校として急成長している昌平。元々は「東和大学(福岡にあった大学、現在は閉学)」の附属校だった。
- 拓殖大学紅陵高校(千葉県)
- 旧名:木更津紅陵高等学校(1980年に拓殖大学の設置校として改名)
- 解説:甲子園の応援歌(ブラバン)でも有名な「拓大紅陵」。元々は独立した「紅陵高校」だった。2026年夏の第108回全国高校野球選手権大会ではベスト16という成績を残すなど、宮城の仙台育英には敗れたが両チーム合わせ2桁安打(計26安打)の乱打戦を繰り広げるなど健闘を見せたことも記憶に新しい。
- 駒込高校(東京都)
- 旧名:駒込学園高校(1990年代に共学化・改称が進む)
- 解説:伝統的な仏教系の男子校から、80年代後半以降に共学化、一気に国際先進的な進学校へとイメージを変えた。
💡コラム:「拓殖大学紅陵高等学校」に関する面白いトリビア
それは、拓殖大学そのものにも戦後の一時期に「紅陵大学」という名称だった歴史があるというもの。
拓殖大学は1900年に前身となる台湾協会学校が設立され、東洋協会専門学校、東洋協会大学などを経て、1926年に「拓殖大学」となっているが、戦後の1946年には、名称を「紅陵大学」へ変更しているのだ。
そして、1952年に再び「拓殖大学」という校名に戻している(拓殖大学の公式沿革にも記録)。
そのため、「拓殖大学紅陵高等学校」という名前を見ると、現在の拓殖大学とは別に、実は大学自身がかつて「紅陵大学」と名乗っていた歴史そのものも見えてくるのである。
東北エリア(共学化・イメージ払拭・独立)
女子校から「共学化」で進学校・人気校へ
- 仙台育英学園高校(宮城県:秀光コース / 秀光中学校)
- 旧名:仙台育英女子高校(※大昔の系譜) / 秀光中等教育学校の改編
- 解説:仙台育英といえばスポーツのイメージが強いが、2000年代以降に東大・国公立医学部を狙う「特進コース」や「秀光」ブランドを強化。かつてのスポーツ一辺倒から、東北を代表するハイレベルな進学実績を叩き出すメガ国際校へと進化している。
- 盛岡誠桜高校(岩手県)
- 旧名:盛岡女子高校(2013年に変更)
- 解説:長年、岩手県内の伝統ある女子校として親しまれていたが、2013年に共学化し「誠桜(せいおう)」へ。近年は公立王国の岩手県において、進学やキャリア教育、スポーツ(女子バレーなど)で存在感を高めている。
- 尚志高校(福島県)
- 旧名:日本大学工業高校(※創立時) → 尚志女子高校(1997年に現在の尚志へ)
- 解説:サッカーの全国屈指の超強豪として全国に名が知られる尚志(しょうし)。実は元々男子校としてスタートし、その後に「女子校」となり、1997年に共学化して現在の校名になるという、非常に珍しい「男子→女子→共学」の歴史をたどった学校だ。今や福島を代表するマンモス人気校である。
「ヤンキー・実業イメージ」を払拭して進学・スポーツ名門へ
かつては「やんちゃな男子校」や「就職中心の商業・工業高校」だった学校が、名前を変えてコースを新設し、劇的にイメージチェンジしたケース。
- 東日本国際大学附属昌平高校(福島県)
- 旧名:磐城(いわき)短期大学附属高校(2000年に昌平へ)
- 解説:福島県いわき市にある強豪校。元々は短大の附属女子高的な位置づけや、古くは地元の泥臭いイメージもあったが、2000年に「昌平(しょうへい)」に改名。関東の昌平高校(埼玉)と同系列の法人となり、一気に「スポーツ強豪&国公立・難関私大を目指す進学校」へと生まれ変わった。
- 明桜高校(秋田県)
- 旧名:秋田経済大学附属高校 → 秋田経済法科大学附属高校(2007年に明桜へ)
- 解説:前述の通り甲子園常連ですが、地元のイメージ改革としても好例だ。昔はいわゆる「男子のマンモス実業・スポーツ校」という荒々しいイメージもありましたが、2007年の「明桜(めいおう)」への改名・共学化以降は、制服や校舎もスタイリッシュになり、秋田県内でも人気の高い文武両道校となっている。
- 創学館高校(山形県)
- 旧名:山形電波工業高校(2004年に変更)
- 解説:東北のオールドファンには「山形電波(やまがたでんぱ)」の名で超有名。激しいツッパリ・男子校カルチャーの時代もあったが、2004年に「創学館」に改名して完全共学化。IT・ものづくりだけでなく、普通科の進学やスポーツにも力を入れる現代的な学校へと180度シフトした。
「学校の独立・系列分離」による改名
- 聖光学院高校(福島県)
- 旧名:福島工業写真専門学校(前身) → 聖光学院高校(1960年代に高校化、80年代〜90年代に全国区へ)
- 解説:甲子園戦後最長の「16年連続出場」という驚異の記録を持つ聖光学院。元々は写真や工業系の泥臭い男塾のようなルーツだったが、キリスト教主義の精神のもと、平成に入ってから驚異的なメンタル教育と進学・野球のトップブランドを確立した。

