違いショート集 Part1

どれも「似た言葉だけど、実は意味や使われ方が違う」というテーマで短くまとめたものである(よく誤解されやすいものも含まれる)。

言葉違いの要約
濃口・薄口主にしょうゆの「色・風味」の違い。薄口=塩分が薄い、ではない
ざるそば・もりそばもともとは盛る器の違い。現在は「海苔あり・なし」の区別が一般的
器物破損・器物損壊「器物損壊」が法律上の表現。「器物破損」は一般的な言い方
味の素・アジシオ味の素は主にうま味、アジシオは塩をベースにしたうま味付き調味料
世界遺産・自然遺産世界遺産が大カテゴリーで、自然遺産はその一分類

濃口と薄口の違い

ここでいう「濃口・薄口」は、主にしょうゆを指す。

濃口しょうゆ薄口しょうゆ
色濃い淡い
香り・風味しっかりしている比較的穏やか
塩分約16%前後約18%前後
主な用途煮物、つけ・かけ、焼き物など関西風の煮物、吸い物、だし料理など
特徴色・香り・うま味を加える素材やだしの色を生かす

多くの一般的な薄口しょうゆは、濃口しょうゆより塩分濃度が高く、醸造過程で食塩水を多く使用し、発酵を抑えることで色を薄く仕上げている。

つまり「薄口」という名前は、主に色が薄いことに由来するため、

濃口=色が濃い、薄口=色が薄い

と考えると分かりやすい。

重要なのは、「薄口」は味が薄いという意味や「濃口」より減塩ではないことである。

ざるそばともりそばの違い

現在ではかなり曖昧になっているが、もともとはそばを盛る器に違いがあった。

ざるは竹などで編んだ「ざる」、もりは皿やせいろで出すという違いである。

そしてもう一つの違いとして現在では一般的に、

  • もりそば → 海苔なし
  • ざるそば → 刻み海苔あり

として区別されていることが多い。

※現在は店によって区別がなく、同じものを別名で出している場合もある。

つまり、

もりそばとざるそばは、そば自体が違うわけではない。

というのがおおきなポイントである。


💡歴史的にみると…

江戸時代、そばを「ざる」に盛って出す店が登場し、そこから「ざるそば」という名称が生まれた。その後、ざるそばに海苔を添えるなどの差別化が行われるようになり、現在の「海苔あり=ざる、海苔なし=もり」という区別につながっていったのである。

器物破損と器物損壊の違い

これは日常語と法律用語の違いと考えると分かりやすい。

器物損壊

法律上の正式な表現で法律手続きや裁判などの公式な文書では「器物損壊」が使用される。

刑法261条には、

他人の物を損壊し、又は傷害した者

についての規定があり、一般には「器物損壊罪」と呼ばれる。

例えば、

  • 他人の車を壊す
  • 店の看板を壊す
  • 他人の窓ガラスを割る

などが該当し得る。

器物破損

「物を壊す」という意味で日常的に使われる表現だが、刑法上の犯罪名は「器物損壊罪」になる。

つまり、

器物破損=ニュースや日常会話などの一般的な言い方
器物損壊=法律上の用語

と整理すると分かりやすいだろう。


なお、「器物損壊」は単純に完全に壊すことだけを意味するわけではなく、物に落書きをしたり、ペットを傷つけたり(法律上ペットは物として扱われる)、機能を害する行為なども含まれる。

成立すると3年以下の懲役、30万円以下の罰金、または科料の対象である。また被害者の告訴がなければ起訴されない親告罪でもある。

味の素とアジシオの違い

これらにはかなり分かりやすい違いがある。

項目味の素アジシオ
成分の構成L-グルタミン酸ナトリウム 97.5%、5′-リボヌクレオチド二ナトリウム 2.5%食塩 86.3%、L-グルタミン酸ナトリウム等 13.7%
主な役割料理に「旨味」を加えるうま味調味料塩味とうま味を同時に付与する「味付き塩」
使用例出汁の補強、スープ、炒め物の隠し味などゆで卵、おにぎり、フライドポテトへの直接の振りかけ

味の素

主成分はグルタミン酸ナトリウム(MSG)である。

つまり、基本的にはうま味調味料。

昆布などに含まれるグルタミン酸による「うま味」を利用した調味料のこと。

アジシオ

こちらは名前の通り、基本的には塩をベースに、うま味成分などを加えた調味料である。

つまり、食塩の表面をうま味成分でコーティングした調味料のこと。


例えば、ゆで卵や天ぷらなどに直接振りかけるならアジシオ、料理のうま味を補いたいなら味の素、という使い分けができる。

ちなみに「味の素」は「うま味調味料」として一般名詞化しているが、本来は商品名・ブランド名である。


世界遺産とは?自然遺産や文化遺産との違い

これらは少し注意が必要である。

「世界遺産」と「自然遺産」「文化遺産」は対立する概念ではない。

「世界遺産」が大きなカテゴリーで、その中に「自然遺産」や「文化遺産」がある。

つまり、ユネスコの世界遺産には、大きく分けて、

  • 文化遺産
  • 自然遺産
  • 複合遺産

があるということである。

文化遺産

人間が作り上げた文化的・歴史的価値を持つもの。

例:

  • 法隆寺地域の仏教建造物
  • 姫路城
  • 古都京都の文化財

自然遺産

自然そのものが持つ、世界的に見て顕著な価値を持つもの。

例:

  • 屋久島
  • 白神山地
  • 知床
  • 小笠原諸島

複合遺産

文化的価値と自然的価値の両方を持つもの。

  • マチュピチュ(ペルー):インカ帝国の遺跡と、アンデスの山岳生態系
  • 泰山(中国):古くから信仰されてきた霊山で、景観も評価されている
  • 黄山(中国):奇岩と雲海の景観に加え、詩や絵画の題材として文化面でも評価されている
  • ウルル=カタ・ジュタ国立公園(オーストラリア):巨大な一枚岩と、先住民アボリジニの聖地
  • メテオラ(ギリシャ):奇岩の上に建つ修道院群
  • アトス山(ギリシャ):正教会の修道院共和国と、豊かな自然環境

ちなみに日本には複合遺産がないため、これまで何度か候補が話題になっているが、登録には至っていない。


つまり「世界遺産」は何なのか?

「世界遺産」は、ユネスコの世界遺産条約に基づいて登録された、世界的に重要な文化・自然の遺産を指す言葉である。

したがって、

世界遺産 > 自然遺産

という関係になる。

例えば「知床は世界遺産?」と聞かれれば、

知床は世界遺産であり、分類としては「自然遺産」である。

というのが正解である。

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