消えた地図記号一覧|今は使われていない地図記号と廃止された理由を解説

学校で社会科の授業などで覚えた地図記号。しかし、実は一度決まった地図記号が永久に使われるわけではない。

社会の変化や施設の減少、地図のデジタル化などに合わせて、これまでいくつもの地図記号が廃止・変更されてきたのである。

この記事では、現在は使われていない代表的な地図記号や、廃止された理由についてわかりやすく紹介する。


地図記号は時代とともに変わる

日本の地図記号は、主に国土地理院が定めている。

新しい施設が増えれば新しい記号が追加され、反対に利用されなくなった施設や産業の記号は廃止・整理されることがある。

つまり、地図記号は「昔から変わらないもの」ではなく、社会の変化に合わせて見直されているのです。


廃止・変更された主な地図記号一覧

地図記号廃止・変更の理由
桑畑養蚕業の衰退により全国的に減少したため
電報電話局電報・電話局の統合や組織改編により実態に合わなくなったため
専売局専売公社制度の廃止に伴い施設がなくなったため
測候所気象観測施設の再編により区別する必要が少なくなったため
保健所(旧記号)記号デザインの見直しにより変更されたため
茶畑(旧図式)地図記号の統一・デザイン変更によるもの

① 桑畑

かつて日本では養蚕業が盛んで、全国各地に桑畑が広がっていた。

蚕(かいこ)は桑の葉しか食べないため、桑畑は重要な産業施設だったのである。

しかし、化学繊維の普及や養蚕業の衰退によって桑畑は急速に減少した。

現在では全国的にも数が少なくなり、独立した地図記号として表示されることはほとんどなくなったのである。


② 電報電話局

昔は電話局や電報局が重要な公共施設だった。

しかし、

  • NTTへの民営化
  • 通信技術の発展
  • 電報利用者の減少

などにより、昔のような「電報電話局」を示す必要がなくなったのである。

現在では施設そのものが大きく変化している。


③ 専売局

専売局とは、たばこや塩などを国が独占して販売していた時代の施設である。

1985年の日本専売公社の民営化などにより制度が大きく変わり、専売局そのものが姿を消した。

そのため、地図記号も役割を終えたのである。


④ 測候所

測候所は、気象観測を行う施設である。

現在では観測体制が見直され、地方気象台や地域気象観測システム(アメダス)などへ移行が進んでいる。

その結果、測候所専用の地図記号は使われなくなった。


⑤ 保健所

保健所自体は現在も存在している。

しかし、地図記号はデザインの見直しや図式改正により変更された。

つまり、「施設がなくなった」のではなく、「記号が新しくなった」ケースである。


⑥ 茶畑(旧図式)

茶畑そのものは現在も日本各地に存在しており、静岡県や鹿児島県、三重県などは全国有数の茶の産地として知られている。

つまり、

  • 茶畑という施設がなくなったわけではない
  • 地図記号の表現方法が新しくなった

という点が、桑畑などの「施設や産業の衰退による廃止」と大きく異なる。

現在の地形図では新しい図式が採用されているため、昔の地図と見比べると、同じ茶畑でも記号のデザインが異なることがある。


地図記号が廃止される理由

1. 施設そのものが減少した

養蚕業の衰退による桑畑のように、施設や産業そのものが少なくなると、地図記号として表示する必要性も低くなる。


2. 行政制度が変わった

専売局や電報電話局のように、制度改革や民営化によって施設名や役割が変わるケースがある。


3. 地図を見やすくするため

地図には掲載できる情報量に限りがある。

利用頻度が低い記号を整理することで、必要な情報が見やすくなる。


4. デジタル地図の普及

スマートフォンやカーナビでは、施設名を直接表示できるようになった。

紙の地図ほど多くの記号を使う必要がなくなり、一部の記号は役目を終えている。


一方で新しく追加された地図記号もある

古い記号が廃止される一方で、新しい社会に合わせて追加されたものもある。

代表例としては、

  • 自然災害伝承碑
  • 電子基準点

などがある。

このように、地図記号は時代に合わせて更新され続けている。


よくある質問

地図記号は誰が決めている?

日本では主に国土地理院が定めている。


学校で習った地図記号と違うのはなぜ?

教科書で学んだあとに図式が改正され、廃止・変更された可能性がある。


今後も地図記号は変わる?

社会や技術の変化に応じて、新しい記号が追加されたり、使われなくなった記号が整理されたりする可能性がある。


まとめ

地図記号は、社会や産業、行政制度の変化に合わせて見直されている。

かつて当たり前だった桑畑や電報電話局、専売局などの記号は、時代の流れとともに役目を終えた。一方で、自然災害伝承碑のような現代ならではの記号も新たに追加されている。

昔の地図と現在の地図を見比べてみると、日本の社会がどのように変化してきたのかを知ることができるだろう。


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