オセロの由来

オセロは、実は日本で生まれたゲームである。

歴史:茨城県の水戸市で誕生

1945年(昭和20年)に、茨城県水戸市の中学生だった長谷川五郎(はせがわ ごろう)さんが、張り合わせた牛乳キャップの裏表を黒と白に塗って遊んだのが原型である。 その後、長谷川さんが大人になってからルールを整備し、1973年に玩具メーカーのツクダ(現メガハウス)から正式に発売されると、またたく間に大ヒットとなった。

名称の由来:シェイクスピアの劇から

「オセロ」という名前は、『リア王』『ハムレット』『マクベス』と並んでイギリスの劇作家シェイクスピアの四大悲劇の一つである『オセロ(Othello)』から取られている。この命名は、英文学者だった長谷川さんの父親のアイデアによるものである。

  • 黒と白の戦い:劇中では、誇り高き人の将軍「オセロ」と、その妻である人の「デズデモーナ」が登場する。この2人の愛の行方は、巧妙に仕組まれた部下の罠によって狂わされていき、最終的に「オセロ」は妻への猜疑心と嫉妬に引き裂かれていく物語が展開される。
  • ゲーム性と劇の関係性:「オセロ」にとって敵味方が二転三転する様子と、黒と白の石が激しくひっくり返り最後までどちらが勝つか分からないゲームの展開が、この劇のストーリーに見事に合致していることから名付けられた。緑の盤面はプリズム(光)の中心にある緑色が、最も目に優しく心をなごませる色とのことから採用されている。

起源はイギリス?

数独(起源は18世紀スイスのラテン方格や米国のナンバープレイス)と同じように、オセロにも19世紀のイギリスに明確な前身となるゲームが存在する。

結論から言うと、「挟んでひっくり返す」という根本的な仕組みはイギリス発祥ですが、「現代の我々が遊んでいる競技ルールと盤面」として完成させたのは日本(長谷川五雄さん)である。

海外のPCゲームやアプリで、オセロによく似たゲームが「リバーシ(Reversi)」という名前で呼ばれているのを知っているだろうか? これこそがオセロの元になった19世紀のゲームである。

イギリスの「リバーシ」と日本の「オセロ」には、以下のような決定的な違いがあります。

違い①:最初の4枚の「並べ方」

  • イギリスの旧リバーシ: 最初は盤面に何も置かない状態からスタートする。中央の4マスに黒白をどう置くかは自由だったため、黒白を「並行(縦並び)」に置くこともできた。しかし、この並びだと先手が圧倒的に有利になってしまい、ゲームとしての面白みが欠ける欠点があった。
  • 日本のオセロ: 最初から中央に黒白を「クロス(対角線)」に配置した状態で始めるようルールを固定した。これにより、黒と白の互角でスリリングな展開が生まれるようになったのである。

違い②:「パス」のルール

  • イギリスの旧リバーシ: 打てる場所がなくなった(パスせざるを得ない)状態になると、「その時点でゲーム終了」というルールであった。
  • 日本のオセロ: 打てる場所がなくなったら「パスをして相手に順番を譲る」とし、両者ともに打てなくなるまでゲームを続行するルールにした。これにより、最後の1手で大逆転が起きるドラマチックなゲーム性が生まれたのである。

違い③:盤面の色と石の仕様

  • イギリスの旧リバーシ: 盤の色は決まっておらず、チェス盤などが代用されていた。石も表裏一体ではなく、黒いチップと白いチップが別々に用意されていた。
  • 日本のオセロ: 前述のように緑の盤面に、「表が黒・裏が白の一体型の石」というスタイルを確立したのである。

💡 なぜ別物のように扱われるの?

長谷川さんがルールを劇的に改良して「オセロ」として売り出したところ、世界中で大ヒットした。しかし「オセロ」は日本のメーカーの登録商標であり、後発のゲーム会社などがライセンス料を回避するために、かつてイギリスにあった古いゲームの名前「リバーシ」を借りて、中身は「オセロのルール」のままアプリなどを配信した歴史がある。その結果、今では2つの名前が混ざって使われている。

19世紀のイギリスで生まれた荒削りなゲーム(リバーシ)の欠点を解消し、完璧な知的競技(オセロ)へ昇華させたのが日本、というわけである。

タイトルとURLをコピーしました