Jリーグは2023年12月19日、リーグ戦を現在の「春秋制」から「秋春制」に変更することを決きめた。
Jリーグの「春秋制」から「秋春制」への移行は、単に試合を行う月が半年ひっくり返るだけでなく、日本のサッカー界のスケジュール、選手の動き、そして観戦環境がガラリと変わる一大改革である。
具体的に何がどう違うのか、スケジュールとメリット・デメリットに分けて見て行こう。
スケジュールの違い
一番の大きな違いは、1年の「始まり」と「終わり」がズレることである。
| 従来の「春〜秋制」 | これからの「秋〜春制」 | |
|---|---|---|
| シーズン開幕 | 2月下旬頃 | 8月上旬頃 |
| シーズン終了 | 12月上旬頃 | 翌年5月下旬〜6月上旬頃 |
| 休止期間 | 12月〜1月の「オフシーズン」 | 12月中旬〜2月中旬の「ウィンターブレーク」 |
💡ポイント
- 2026年8月に開幕するシーズンからは、ヨーロッパのリーグと同じように、年をまたいでチャンピオンを決めることになる。
- 一番寒くて雪の降る12月中旬〜2月中旬(約2ヶ月間)は、試合を休む「ウィンターブレーク」が設けられる。
なぜ変えるの?(主なメリット)
世界基準に合わせることで、日本サッカーのレベルアップや選手の健康を守ることが大きな目的である。
- 世界(欧州)への移籍がスムーズになる ヨーロッパの主要リーグは「秋〜春制」である。これまではJリーグがシーズン真っ最中の夏にヨーロッパへの移籍話が来ることが多く、チームの主力選手が途中で抜けてしまう問題があった。今後はシーズン終了(5〜6月)の同じタイミングで移籍の交渉ができるようになる。
- 「真夏の酷暑」での試合を減らせる 近年の日本の夏は命に関わる暑さである。これまでは7月〜8月にリーグの天王山(重要な試合)を行っていたが、今後は8月が開幕になるため、夏場の試合数を減らしたり、夜間試合(ナイトゲーム)に絞ったりして、選手や観客の熱中症リスクを下げられる。
- アジアや世界の大会と日程が合いやすい アジアNo.1を決める大会(ACLエリート)や、クラブW杯なども既に「秋〜春制」に変わっている。Jリーグだけスケジュールがズレていると、過密日程になりやすかったのだが、これが解消される。
どんな心配事があるの?(主なデメリット・課題)
一方で、日本特有の気候や社会構造によるハードルもある。
- 「雪国」のクラブへの負担が大きい 札幌、山形、新潟などの降雪地域を本拠地とするクラブにとっては死活問題である。ウィンターブレーク直前の12月や、再開直後の2月はスタジアムや練習場が雪に埋もれるため、雪国クラブは「アウェイ連戦(遠征続き)」を強いられる可能性が高く、不公平感や費用の負担が懸念されている。
- 日本の「年度(4月始まり)」とズレる 日本の学校や企業は4月が新生活のスタートだが、サッカーは6月にシーズンが終わる。そのため、高校や大学を卒業した新卒選手が「どのタイミングでチームに合流・契約するのか」といった、日本独自の社会システムとの調整が必要になる。
このように、「世界で勝つためのサッカーファーストな環境」を手に入れる代わりに、「日本の冬の気候や社会慣習」とどう折り合いをつけていくか、というのが今回の移行の課題となっている。
まとめ
このように、ヨーロッパなどの世界基準に合わせるため、従来の「春〜秋制」から「秋〜春制(2026-27シーズン)」への完全移行が決定したワケだが、それに伴うシーズン移行の準備・調整期間(2026年前半)として、現在まさに開催されているのが、『明治安田Jリーグ百年構想リーグ』という特別な公式大会になる。
Jリーグ百年構想という理念が生まれてちょうど30年目を迎えた2026年、Jリーグでは非常に大きな歴史的転換が行われているのである。