インテンシティ(Intensity)
「プレーの強度・激しさ」を意味する。物理学では「強度」を意味する単語であるが、サッカーでは球際での身体のぶつかり合い、ダッシュのスピード、攻守の切り替えの早さなど、試合全体のハードさの基準として使われる。
「インテンシティが高い」といえば、非常にタフで息つく暇もないハイテンポな試合展開を指す。
エラシコ(Elástico)
ブラジル発祥の足技(フェイント)の一つである。
足の外側(アウトサイド)でボールを外に押し出すと見せかけ、一瞬で同じ足の内側(インサイド)に切り返して相手を抜き去る技。
ポルトガル語 elástico は「ゴム・弾性」という意味。ゴムが伸び縮みするような素早い足の動きから名付けられた。
元ブラジル代表のロナウジーニョが得意としていたことで有名。
クリーンシート
試合を「無失点(ゼロ点)」で抑えて終えること。昔、記者がスコアブックに記録する際、失点がないとシートが綺麗な(Cleanな)ままだったことに由来する。
GKや守備陣の記録として使われる。
ゲーゲンプレス
ボールを奪われた瞬間、自陣へ相対的に引くのではなく、その場ですぐに猛烈なプレッシャーをかけて奪い返す戦術のこと。
ドイツ語の「Gegen(〜に対して・反対・逆・対抗)」と「Pressing(プレス)」を合わせた言葉で、ボールを奪われた瞬間にカウンターをさせないための戦術である。
ユルゲン・クロップ監督(元リヴァプールなど)の代名詞として知られている。
シャドー
正式には、シャドーストライカー(Shadow Striker)の略である。
フォーメーションにおいて、最前線のフォワード(トップ)のすぐ後ろ(影=シャドー)に位置する選手のこと。 主に「2シャドー」という形で、1トップの後ろに2人配置されることが多く、トップの選手が作ったスペースに2列目から急襲してゴールを狙う役割を担う。
なぜ「シャドー」なの?
「影(Shadow)」のように
- FWの後ろから現れる
- 相手DFの死角へ飛び出す
- 得点にもアシストにも絡む
というプレースタイルから名付けらた。
近年では日本代表のような3バックの「3-4-2-1」の「2」の位置もシャドーと呼ばれることがある。
ティキ・タカ
短いパスを細かくつなぎながらボールを支配する戦術のことである。
特徴
- ワンタッチ・ツータッチでテンポよくパス
- ボール保持率が非常に高い
- 相手を走らせて体力を奪う
- 隙ができた瞬間にゴールを狙う
名前の由来
「ティキ・タカ」はスペイン語の正式なサッカー用語ではなく、
実況者が「ティキ、タカ、ティキ、タカ…」と、パス交換の小気味よいリズムを擬音のように表現したことから広まった。
さらには、おもちゃの「アメリカンクラッカー」がカチカチと鳴る音(tiqui-taca)が語源と言われている。
2008年〜2012年にかけて、ペップ・グアルディオラ監督率いるバルセロナや、ワールドカップを制したスペイン代表が世界を席巻したプレースタイルとして定着した。
トランジション
英語で transition は「移行・転換」を意味する。
サッカーにおいては、「攻守の切り替え」のことを指し、
- 攻撃から守備へ(Negative Transition)
- 守備から攻撃へ(Positive Transition)
の2種類がある。
この局面のスピードが現代サッカーの勝敗を大きく分けることから特に重要な専門用語になった。
偽9番/ゼロトップ
偽9番とゼロトップは見た目上、ほぼ同じに見えるコンセプトである。

まず本来、通常のセンターフォワード(9番)は、
- 最前線で相手CBと競る
- ゴール前で得点を狙う
- ポストプレーをする
のが役目である。
偽9番とは
これに対し、最前線に張るべきセンターフォワード(背番号9番の役割)の選手が、中盤まで下がってパス回しに参加する役割を「偽9番(false 9)」と呼ぶ。
「偽9番(false 9)」には、相手センターバックが「付いて行くべきか?」という判断を迫られるのでマークを狂わせる効果がある。
偽9番の例:
FC Barcelona(2009~2012年頃)では、
Lionel Messiが、センターフォワードに入りながら中盤へ下がってゲームを組み立て、その空いたスペースへ両ウイングが飛び込み、大量得点を生み出したことで有名。
ゼロトップとは
その結果として最前線に固定されたFWがいない布陣を「ゼロトップ」と呼ぶ(主に日本で使われる呼び方であり、英語圏では strikerless formation(ストライカーなしの布陣)と呼ばれることが多い)。
「ゼロトップ」は、中央には誰もおらず、その代わりに右や中盤の選手が次々と前へ飛び出し、
隙を見て9番の選手も前に出る。誰がFWなのか分からない状態になるという狙いがある。
ゼロトップの例:
UEFA Euro 2012の決勝でスペイン代表は、純粋なストライカーを置かず、中盤の選手が自由に前線へ出入りするシステムを採用した。これは典型的なゼロトップとして知られている。
偽9番とゼロトップの違いを一言で言うと…
- 偽9番:「9番(センターフォワード)の選手が、9番らしくプレーしない役割」
- ゼロトップ:「そもそも純粋なセンターフォワードを置かないフォーメーション」
つまり、
偽9番は「役割」の名前
ゼロトップは「配置・システム」の名前
という違いがある。
ハイドレーションブレイク
“Hydration” は、水分補給という意味である。
つまり、ハイドレーションブレイク=水分補給のための短い中断
を指す。
なぜ導入された?
暑い環境では選手が
- 脱水
- 熱中症
- パフォーマンス低下
になる危険があり、熱中症対策として導入されたルールで、気温や暑さ指数(WBGT)が高い場合に、主審の判断や大会規定に基づいて設けられる。
いつ行われる?
一般的には
- 前半約25分
- 後半約25分
付近で約1〜3分間実施される。
この時間は時計が止まらないことが多く、休憩した分はアディショナルタイムに加算される。
バロンドール
Ballon d’Orは、その年に最も活躍したサッカー選手に贈られる世界最高峰の個人賞である。
名前の由来
「Ballon d’Or」はフランス語で、
- Ballon=ボール
- d’Or=黄金の(Gold)
つまり、「黄金のボール(Golden Ball)」という意味である。
実際のトロフィーもサッカーボールを模した金色のデザインになっている。
歴史
- 1956年にフランスのスポーツ誌 France Football が創設。
- 当初はヨーロッパ人選手のみ対象。
- 1995年から欧州クラブ所属選手が対象。
- 2007年から世界中の選手が対象となりました。
近年では
- Lionel Messi
- Cristiano Ronaldo
が長年受賞を争ったことで有名になった。
プレスバック
前線の攻撃選手が、ボールを奪われた後に自陣の守備エリアまで素早く戻って守備に参加するアクションのこと。
press(圧力をかける)+ back(戻る)を組み合わせた和製英語に近いサッカー用語である。海外では単に「track back」や「defensive recovery」と表現されることも多い。
現代サッカーではFWの選手にも高い守備意識(プレスバック)が求められる。
ラボーナ
軸足の裏側(後ろ側)から蹴る足を交差させて放つ、トリッキーなキック技術のこと。利き足とは逆の足(非利き足)を使わずにクロスやシュートを上げたい時や、相手のタイミングを外すために使われる。
スペイン語 rabona が由来。アルゼンチンで「学校をサボる(ずる休みする)」という意味の俗語から来たと言われている。1940年代、このキックを使った選手が「普通に蹴ることをサボっているようだ」と新聞で表現されたことから広まった。
レジスタ
イタリア語で「演出家」「映画監督」を意味し、サッカーでは「中盤の底(ボランチの位置)からゲームをコントロールする司令塔タイプの守備的MF」を指す。
屈強な守備だけでなく、卓越したパスセンスと戦術眼で攻撃のタクトを振るう選手(元イタリア代表のアンドレア・ピルロなど)の代名詞である。